解剖学、生理学III(呼吸器系)

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呼吸器系(鼻腔・副鼻腔・咽頭・喉頭)

  • 気道の経路:1.鼻腔2.咽頭3.喉頭4.気管5.気管支6.
  • 上気道:7.鼻腔から8.喉頭まで
  • 下気道:9.気管から10.まで

鼻腔

腎機能の測定

  • 1.外鼻:鼻根・鼻背・2.鼻翼・鼻尖からなり、鼻腔の前壁をなす
  • 外鼻の骨組み:鼻骨と3.鼻軟骨よりつくられる
  • 鼻腔の経路:4.外鼻孔に始まり5.後鼻孔に終わり、咽頭に通じる
  • 鼻腔の構造(上図参照):6.鼻中隔7.上・中・下鼻甲介8.総鼻道9.鼻前庭
  • 鼻前庭以外の鼻腔壁はすべて粘膜に覆われている
  • 鼻粘膜:呼吸粘膜((10.)以外、多列線毛上皮)、10.嗅粘膜(鼻腔の後上部)
  • 11.キーゼルバッハ部位:外鼻孔に近く鼻粘膜には毛細血管が多く集まり、直下には軟骨もあって、鼻出血を起こしやすい

副鼻腔

  • 1.副鼻腔:頭蓋骨の中の空洞で、鼻腔と交通しているもの

>> 1.副鼻腔の構成 <<

  • 2.前頭洞3.上顎洞:中鼻道に開口
  • 4.篩骨洞:中鼻道と上鼻道に開口
  • 5.蝶形骨洞:後上方に開口

咽頭

  • 鼻腔の出口である1.後鼻孔をへて咽頭にでる
  • 咽頭は上から上咽頭(鼻部)、中咽頭(口部)、下咽頭(喉頭部)に別けられる

喉頭

喉頭を形成する軟骨

  • 咽頭に続く気道の一部で、喉頭の骨組みは、すべて軟骨でできており、6種類9個の1.軟骨に囲まれる
  • 喉頭は2.発声の作用をするとともに、食物と液体が気道に入り込むのを防ぐ働きがある
  • 咽頭の下方で3.食道4.喉頭に分かれ、双方の交通整理の秩序が狂うと「むせる」ことになる

>> 喉頭軟骨の構成 <<

  • 5.甲状軟骨:盾状に喉頭の前面を覆う軟骨
  • 6.輪状軟骨:(5.)の下にある指輪の形をした軟骨
  • 7.披裂軟骨:(6.)の上縁の左右に一対ある軟骨
  • 8.喉頭蓋軟骨:(5.)の裏側にある軟骨、ものを飲み込むときに、喉頭軟骨の全体が引き上げられると、(8.)が下がり、喉頭上口にふたがかぶせられる

>> 声帯の構成 <<

  • 9.声帯靭帯:披裂軟骨の前端から甲状軟骨の後面にあるヒモ状の靭帯
  • 10.声帯筋:(9.)に沿う筋肉
  • 11.声帯ヒダ:(9.)と(10.)を覆う粘膜で、口頭の側壁に沿って前後に走るヒダを作る
  • 12.声門裂:(11.)によりできる隙間、正常な呼吸のときは開いており、発声時にせばめられる
  • 13.声門:(12.)と(13.)を合わせてこう呼ぶ

過去問

中鼻道に開口しないのはどれか:
1.前頭洞
2.蝶形骨洞
3.上顎洞
4.篩骨洞

答えと解説2が正しい:蝶形骨洞だけ鼻腔の後上方に開口する

呼吸器系(気管・気管支・肺)

気管・気管支

気管の組織の位置

  • 気管は1.第6頚椎の高さで、喉頭の輪状軟骨の下から垂直に下降する直径2センチメートルの管である
  • 気管は2.心臓の上後方(TH4~TH5)で左右の気管支に分かれる
  • 気管支は3.a(a:右/b:左)のほうが太く4.b(a:長い/b:短い)
  • 右気管支の走行は5.垂直に近く傾斜し、左気管支の走行は6.水平に近く傾斜する

気管の構成

  • 気管の壁は7.馬蹄形の気管軟骨が積み重なってできている
  • 軟骨を欠く後壁は8.膜性壁といい、平滑筋と粘膜からなる
  • 気管支は肺に入ると分岐を繰り返し、多数の枝に分かれ、9.気管支樹と呼ばれる
  • 気管支樹:10.気管支→小気管支→11.細気管支12.終末細気管支13.呼吸細気管支14.肺胞管15.肺胞嚢16.肺胞
  • 軟骨は17.細気管支でなくなる

  • 下図中の番号の部分の名称はそれぞれ、18.肺尖19.肺門20.肺底
  • 右肺は左肺より21.a(a:大きい/b:小さい)
  • 肺を区分していくと、大きい単位から、肺→22.肺葉23.肺区域24.肺小葉となる
  • (22.)は右肺は25.上・中・下葉、左肺は26.上・下葉に区分される
  • (23.)は、右肺に27.10個、左肺に28.個ある
  • (24.)は、肺表面にみえる直径1cmほどの多角形の小区画のことである

肺胞

  • 肺胞の壁はきわめて薄く、また隣あったものどうし共有しているので29.肺胞中隔呼ばれる
  • 肺でのガス交換は肺胞の壁(30.呼吸上皮31.基底膜)と毛細血管の32.内皮細胞で行われる、これを33.血液空気関門という
  • 肺胞の中に入った空気のことを肺胞気という
  • 肺胞を覆う毛細血管のことを肺胞毛細血管という

胸膜

胸腔断面図

  • 肺の表面は光沢のある薄い34.臓側胸膜(肺胸膜)でおおわれる、肺門で折れ返り、35.壁側胸膜に移行する
  • 胸膜(壁側胸膜)は肺を覆う部分によってそれぞれ、36.肋骨胸膜37.縦隔胸膜38.横隔胸膜とよばれる
  • (34.)、(35.)によってできる腔所を39.胸膜腔といい、少量の無色の漿液でみたされている
  • 肺の前縁と下縁で胸膜腔は広くなり胸膜洞と呼ばれる
  • 前縁に沿う胸膜洞が肋骨縦隔洞、下縁に沿うものが肋骨横隔洞と呼ばれる

縦隔

  • 胸腔の中央部で、心臓や、気管、気管支などの重要な臓器が存在する腔所を40.縦隔という

呼吸器系(呼吸運動)

  • 気道を通して、O2が少なくCO2が多い呼気と外界の空気を交換することを1.換気という
  • 呼吸は2.呼吸運動によって行われ、3.吸息4.呼息よりなる

吸息

  • 吸息時には5.横隔膜6.外肋間筋が収縮する
  • (5.)と(6.)は吸息時に働くので7.主吸息筋と呼ばれる
  • 深呼吸の時には、さらに脊柱を伸ばす筋や、肩を居城する筋なども働く、これらを7_1.補助吸息筋という
  • 肋間筋は8.肋間神経の活動の高まり、横隔膜は9.横隔神経の活動の高まりによって収縮する
  • 横隔膜の運動によって行われる呼吸を10.横隔膜呼吸(腹式呼吸)、肋間筋の運動によって行われる呼吸を11.胸式呼吸という
  • (10.)と(11.)は両者の共同による12.胸腹式呼吸であるが、安静時には主として横隔膜呼吸が関与する

呼息

  • 吸気に引き続きおこる呼息は受動的におこり、呼吸筋は関与しない
  • 努力性の呼息では、13.内肋間筋14.腹壁筋が収縮する

胸腔内圧

  • 15.陰圧:ある腔の気圧が大気圧以下になっている状態

呼吸器系(肺機能)

肺気量

肺気量

  • 上図はスパイロメーターを用いて肺気量を求めた曲線である、息を吸ったときにグラフは0.a(a:上/b:下)方向に振れ、息を吐いたときはその逆に振れる
  • 1.1回換気量2.予備吸気量3.予備呼気量4.残気量5.機能的残気量6.肺活量7.全肺活量8.最大吸気位9.最大呼気位10.安静吸気位11.安静呼気位12.1秒量13.努力肺活量
  • 体格、年齢、性別を加味して算出した肺活量の予測肺活量に対して、実測肺活量がどのくらい多いか少ないか、割合で表した数値を14.%肺活量といい、次の式で求める
  • (14.)=実測肺活量÷予測肺活量×100
  • 15.努力肺活量:最大吸気位から最大呼気位まで一気に呼出させたときの呼出量
  • 16.1秒率:努力肺活量に対する1秒量の割合(1秒量÷努力肺活量×100)

1秒率

呼吸数

  • 17.分時換気量:1分あたりの換気量
  • 分時換気量=18.1回換気量×呼吸数/分
  • 安静時の成人の分時換気量:500ミリリットルX16回=8000ミリリットル(運動時はこの10倍にも達する)

肺胞換気量

  • 19.死腔:気道中の、ガス交換に関与しない容積のこと、1回換気量のうちガス交換に関与しないガスの量を(19.)量という(成人で約150ミリリットル)
  • 20.肺胞換気量:1回換気量のうち、死腔量を差し引いた量
  • 21.分時肺胞換気量:1分あたりの(20.)のこと
  • 分時肺胞換気量=22.(1回換気量ー死腔量)×呼吸数/分
  • *呼吸数/分・・・1分間に行う呼吸の回数。(一息四脈(1分間の脈と呼吸数を計って、一息について脈が四つ打っていれば正常とみなすもの))

呼吸器系(ガス交換とガスの運搬)

吸気、呼気の組成

  • 空気の組成:O約21%、CO約0.03%、N約78%からなる混合気体である
  • 肺胞気と血液の間でガス交換した後に、O約16%、CO約4%の呼気となって吐き出される

肺におけるガス交換

  • 肺におけるガス交換は、1.肺胞気と肺の2.毛細血管の静脈血との間の3.ガス分圧の差によって行われる
  • 1気圧=4.760mmHg
  • 肺胞では、O13~14%、CO5~6%で、このとき肺胞気のO分圧は約5.100mmHg、CO分圧は約6.40mmHgである
  • 分圧:混合気体に占める各期待の体積比を圧で表した値、たとえば空気中のO分圧は760mmHg×0.21≒158mmHg
  • 肺胞気の分圧:肺胞気には水蒸気が飽和状態で47mmHgで存在する、したがって肺胞気におけるO分圧は、肺胞気圧から水蒸気圧を引いた値に肺胞気のO濃度をかけることによって求められ、(760-47)×0.14≒100mmHgである

血液のガス運搬

  • と結合したヘモグロビンのことを7.酸素化ヘモグロビン(HbO)という
  • 動脈血の組成:O分圧・・8.95mmHg、CO分圧・・9.40mmHg、Hbに対するHbOの割合・・10.97
  • 静脈血の組成:O分圧・・11.40mmHg、CO分圧・・12.46mmHg、Hbに対するHbOの割合・・13.75
  • 動脈血中のOは、赤血球に含まれている12.ヘモグロビン(Hb)(化学的溶解)と可逆的に結びつくことによって溶解しており、物理的に溶解している量はわずかである
  • 全身のCOの約80%は血漿と赤血球中に13.重炭酸イオンとして存在し、約10%は14.ヘモグロビンと結合している、残りの10%は物理的に溶解している
  • 拡散によって組織から血中へ移動したCOの多くは重炭酸イオンとして化学的に溶解する、この反応は、赤血球内にある15.炭酸脱水酵素の働きで早く起こる

呼吸による体液の酸塩基平衡

  • pHは、血中の二酸化炭素分圧が高くなると酸に傾き、低くなるとアルカリに傾く(肺で調整)
  • pHは、血中の重炭酸イオンが増加するとアルカリに傾き、減少すると酸に傾く(腎臓で調整)
  • 換気不足で体内にCOが蓄積してくると、血液中の16.も増加し、体液が17.a(a:酸性/b:アルカリ性)側に傾く
  • 18.アシドーシス:pHが正常より酸性側に向かう状態
  • 19.アルカローシス:pHが正常よりアルカリ性に向かう状態
  • 20.アシデミア:pHが7.35より小さくなる状態(酸血症)
  • 21.アルカレミア:pHが7.45より大きくなる状態(アルカリ血症)
  • 呼吸器疾患(呼吸不全、重症の喘息、睡眠時無呼吸症候群)などで呼吸が障害されるとCOが体内に22.蓄積23.呼吸性アシドーシスが起こる
  • 過換気(過換気症候群)によりCOが過度に24.排出された場合に25.呼吸性アルカローシスが起こる

組織におけるガス交換

  • 組織におけるガス交換は、血液と組織との間の26.ガス分圧の差によって行われる

呼吸器系(呼吸運動の調節)

  • 呼吸は呼吸中枢の支配と、行動性調節、化学的呼吸調節、神経性呼吸調節が組み合わり成り立っている
  • 呼吸の調節は、自発性のリズム活動をもつ1.呼吸中枢の働きによって行われるが、その働きは肺や血液の状態の情報によって2.反射性に変えられるほか、3.意思によっても変えられる

呼吸中枢(中枢性化学受容器)

  • ニューロン:神経細胞のこと、刺激によって興奮し、それを中枢神経⇔末梢神経に伝える働きをする
  • 基本的な呼吸リズムを形成する部位を4.呼吸中枢と呼ぶ
  • (4.)は5.呼息中枢6.吸息中枢を合わせた呼び方である
  • (5.)と(6.)はおのおの7.呼息ニューロン8.吸息ニューロンの集まりである
  • 呼息時や吸息時に(7.)と(8.)は働き、それは脳幹の一部である9.延髄10.網様体部分にある
  • 呼吸リズムは脊髄からでる11.肋間神経12.横隔神経を介して呼吸筋に伝えられる
  • 延髄が傷害されると13.自発的呼吸が困難になる
  • 脳幹の一部である14.に延髄の呼吸中枢の働きを調節する15.呼吸調節中枢と合わせて呼吸リズムを形成する

神経性呼吸調節

  • 肺が呼息により伸展されると16.肺の伸展受容器が興奮し、その情報は17.迷走神経を介して呼吸中枢に伝えられ18.b(a:呼息中枢/b:吸息中枢)を制御し、吸息から呼息に移行する
  • 上記を19.ヘーリング-ブロイエルの反射、あるいは20.肺迷走神経反射という
  • 21.鼻粘膜が刺激されるとくしゃみ反射が起こり、22.咽頭または23.気管粘膜が刺激されると咳反射が起こる、これは呼吸器の異物を取り除くために起こる
  • 他の因子として、体温の変化やホルモンも呼吸中枢に作用する、体温の上昇は呼吸を24.a(a:促進/b:減弱)させ、体温の低下はその逆である
  • 運動時には25.アドレナリンの分泌が亢進して呼吸を促進する

化学的調節(末梢性化学受容器)

  • 延髄の呼吸中枢の近くにはCOの増加に反応する26.中枢性化学感受領野があり、呼吸中枢を介して呼吸を27.a(a:促進/b:減弱)させる
  • 頚動脈洞の近くにある28.頚動脈小体および大動脈弓にある29.大動脈小体には血中のO分圧の30.b(a:増大/b:減小)あるいはCO分圧の31.a(a:増大/b:減小)、pHの32.b(a:上昇/b:低下)に反応する化学受容器がある
  • (28.)は33.舌下神経、(29.)は34.迷走神経を介して呼吸中枢に伝えられ、呼吸運動が促進される

行動性調節

異常呼吸

  • 1.チェイン-ストークス呼吸:無呼吸→深い呼吸→無呼吸を繰り返す、脳疾患、尿毒症、各種中毒や病気の末期、老人の睡眠中や、高山での睡眠中にも見られる
  • 2.ビオー呼吸:深いあえぎ呼吸が突然中断されたり元に戻ったりする、脳外傷や脳炎、脳腫瘍などで脳圧が亢進した際に引き起こされる(呼吸中枢に影響がでた結果と考えられる)
  • 3.クスマウルの呼吸:深い呼吸が規則正しく続くか呼吸、糖尿病などで代謝性アシドーシスになり、血中pHが低下することによって起こる
  • 4.頻呼吸:呼吸の深さは変わらず、頻度が増加した呼吸(肺炎、発熱)
  • 5.徐呼吸:呼吸の深さは変わらず、頻度が減少した呼吸(頭蓋内圧亢進状態、麻酔時)
  • 6.過呼吸:呼吸の頻度は変わらず、深さが深くなった呼吸(呼吸窮迫症候群(RDS)、過換気症候群、肺血栓塞栓症)
  • 7.減呼吸:呼吸の頻度は変わらず、深さが浅くなった呼吸
  • 8.睡眠時無呼吸症候群:睡眠時に無呼吸が頻回に起こる病態で、9.上気道の閉鎖による場合と、中枢性の機序によるものがあり、前者は10.高度な肥満で起こるものがよく知られている、昼間はうとうとしている
  • 11.いびき:扁桃肥大や舌根沈下や口蓋垂の落ち込みで12.咽頭腔が狭くなり、弛緩した軟口蓋が振動して音が出る
  • 高圧環境:海中に深くもぐると地上に比べて血液中に溶け込む空気の量は13.a(a:多く/b:少なく)なる、その状態で急速に水面に上がると、血中に解けていた窒素が14.気泡となって毛細血管につまる(潜函病)
  • 低圧環境:酸素欠乏になると15.呼吸困難・めまい・吐き気・頭痛などの症状が現れる(高山病)、高地に長く居住すると、16.肺胞換気量、心拍出量、赤血球数が増加して、組織への酸素供給不足が補われる
  • 運動時の呼吸:呼吸促進が起こるのは17.大脳皮質運動野からの指令が呼吸中枢に及んだり、筋や関節からの感覚神経の求心性情報による反射が起こったり(急激な換気亢進)、運動によって生じた代謝物が血液を介して18.化学受容器を刺激するためである
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