鍼や灸は経験療法として発達してきました。原始人が怪我をしたときに、本能的にその部分を押さえてみたり、葉っぱをつけてみたり。石器時代にはいると、膿を出すために石器で皮膚を切り、疾病の治療ができることを経験した。
移行、道具の発達に伴い、金属製の鍼が治療に応用されるようになった。それらは、より効果的に場合に応じた治療が選択されるようになり、時間の経過とともに経験が蓄積されていきました。そして、それらは中国で飛躍的な発展をとげるのです。
ただそう簡単にそれらが医学として発展をしたわけではなく、いろいろあったようです。その昔は、病を治すために、祈祷や方術に頼るということをしていました。鍼、灸、薬(いわゆる漢方)もその類だと思われ、怪しげな道士方士と同列に扱われていた時代もあったようです。
そんな鍼や灸はいままであまり科学的な解明はすすめられてこなかったようで、不思議だけど効果がある!という一点で発達してきたようですが、近年、補完代替医療として注目を集め、欧州や北米では鍼灸治療が盛んに行われるようになってきているようです。イギリスのチャールズ皇太子は鍼好きなんだそうです。
WHOでもいくつか鍼灸治療の有効性を認めた病気があり、日本でも、健康保険の適用が認められている疾患があります。
では、なぜ鍼を刺したり灸で暖めたりするだけで、体の痛みが消えたり、病気が治ったりするのでしょう。それは鍼術の機械的刺激や灸術の温熱的刺激が生態に反射を引き起こした結果、その影響による生態の変化が一定の治療効果を上げていると考えられています。なんだか難しいですね。(笑)
西洋医学の手術や投薬に関して、科学だ!と言いますが、この治療が効果があると証明するために、数多くの実験を繰り返し、その結果、治療効果があると証明されているに過ぎません。鍼や灸も長い年月をかけて、実験を繰り返し、その結果、治療効果があったものが継承されてきています。さて、どちらが信用に足るものなのでしょうか?
最近私が受けた西洋(近代)医学にレイシックがあります。確かに視力が回復し、とてもうれしく思っていますが、夜間視力の低下、日中の日差しのまぶしさに悩まされています。そのほかにも数多くの副作用が報告されているようです。まだまだ近代医学は実験段階なのです。
鍼や灸(東洋医学)は施術後の結果はわかっているけど、その効果が現れる理由がわからないという段階のようです。理由がわからないとどうしても「神秘的な治療法」となってしまうのかもしれませんが、はたしてどちらのほうが信用に足る治療法なんでしょうね。
医師においてはもちろん、一般世間においても、急症は西洋医学が、慢性症は漢方や鍼灸が効果的だという認識です。ですが、急症にも効果があるのです。(カゼとか)
どのような疾患に対して有効かは「臨床の実際」を参照してください。