解剖生理学II(神経系)

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神経の一般

神経組織

  • 神経組織は1.神経細胞(ニューロン)2.神経膠細胞(グリア細胞)により構成される
  • ニューロンは核を含む3.細胞体、興奮入力部の4.樹状突起、出力部の5.軸索(軸索突起)に分けられる
  • 末梢神経系のグリア細胞を6.シュワン細胞という
  • 神経線維は髄鞘を持つ7.有髄線維と持たない8.無髄線維に分けられ、(7.)に見られる髄鞘の切れ目を9.ランビエの絞輪という
  • 中枢神経系の内部構造で細胞体が集まってできる場所を10.灰白質、神経線維が集まってできる場所を11.白質、広い白質の中にできる灰白質を12.神経核という
  • 末梢神経系内で細胞体が集まってできる場所を13.神経節という

興奮の伝導

  • 軸索内で行われる物質の運搬を1.軸索輸送という
  • 静止状態における細胞膜内外の電位差を2.静止電位という
  • 静止状態でのイオン分布は細胞間の外側では3.ナトリウムイオン(Na)4.塩化物イオン(Cl)、内側では5.カリウムイオン(K)6.タンパク質陰イオンが多く存在する
  • 活動電位が発生する電位を7.閾値といい、(7.)以上の刺激であれば必ず生じ、それ以下では生じないという法則を8.全か無の法則という
  • 活動電位発生時に新たに興奮できない時期を9.絶対不応期、通常以上の刺激でないと興奮できない時期を10.相対不応期という
  • ニューロンでは興奮は11.電気信号として伝わっていく
  • 興奮伝導の3つの原則は、12.絶縁性伝導13.不減衰伝導14.両方向性伝導である
  • 有髄線維にみられる伝導様式を15.跳躍伝導という
  • 神経線維の分類で16.C線維は最も伝導速度が遅く、17.Aα線維が最も早い

興奮の伝達

受容器

  • 興奮の伝達が行われる場所を1.シナプスという
  • 2.シナプス小包3.シナプス前終末4.神経伝達物質5.シナプス間隙6.受容体7.シナプス下膜8.シナプス後細胞
  • 興奮伝達の特長には9.一方向性伝達10.シナプス遅延11.易疲労12.酸素不足や薬物の影響がある
  • 遠心性神経の神経伝達物質には13.アセチルコリン14.ノルアドレナリンがある
  • 抑制性の神経伝達物質には15.グリシン16.γ-アミノ酪酸(GABA)がある
  • 痛覚に重要な神経伝達物質には17.P物質(SP)18.CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)がある
  • シナプスの伝達機能が変化する性質を19.可塑性という
  • シナプス前ニューロンを反復刺激するとしばらくの間通常の刺激に対してシナプス後ニューロンに大きな反応が起こる現象を20.反復刺激後増強という

感覚の構造と機能

感覚の一般

  • 体性感覚は1.皮膚感覚(表在感覚)2.深部感覚に分類され、更に(1.)は3.触圧覚4.温度覚5.痛覚(表在痛覚)に、(2.)は6.運動感覚7.深部痛覚に分類される
  • 内臓感覚は8.臓器感覚9.内蔵痛覚に分類される
  • 特殊感覚には10.視覚11.聴覚12.平衡感覚13.味覚14.嗅覚が含まれる
  • ある感覚受容器を興奮させる最適な刺激を15.適刺激という
  • 異なる強さの刺激を区別するのに必要な刺激の最小差分を16.弁別閾といい、17.ウェーバーの法則に従う

内臓感覚

  • 臓器感覚には18.空腹感19.乾き20.便意21.尿意が含まれる
  • 内臓痛が元で反射性に近傍の腹筋群が収縮することを22.筋性防御、あるエリアの皮膚などに生じる痛み感覚を23.関連痛(連関痛)という

皮膚の構造

皮膚の構造

  • 1.表皮2.真皮3.皮下組織4.毛幹5.毛根6.毛球7.毛包8.脂腺9.立毛筋10.エクリン汗腺11.アポクリン汗腺
  • 表皮は12.ケラチン産生細胞(ケラチノサイト)が角化した13.重層扁平上皮である
  • 表皮には黒色の顆粒を産生する14.メラニン産生細胞(メラノサイト)が存在する
  • 真皮が表皮に突き出した部分を15.乳頭という
  • 毛球には16.毛乳頭が入り込み、(16.)を覆う上皮組織を17.毛母基という
  • エクリン汗腺は全身に広く分布し18.体温調節に関与する
  • 爪は露出している部分を19.爪体、皮膚にかくれている部分を20.爪根といい、爪体をのせている皮膚面を21.爪床という
  • 乳汁の分泌腺を22.乳腺といい、乳房内部に23.乳頭を中心に10個程度の24.乳腺葉が放射状に存在する

体性感覚

  • 皮膚の感覚点のうち最も多いのは1.痛点、最も少ないのは2.温点である
  • 触圧覚の受容器には3.メルケル盤4.ルフィニ終末5.マイスネル小体6.毛包受容器7.パチニ小体があり、求心性神経は8.Aβ線維(II群求心性線維)である
  • 温度覚の受容器は9.自由神経終末という形態であり、温覚は10.温受容器、冷覚は11.冷受容器によって伝えられる
  • 痛覚の受容器には機械的侵害刺激にのみ反応する12.高閾値機械受容器と、さまざまな侵害刺激に反応する13.ポリモーダル受容器がある
  • 痛覚の求心性線維は速い痛みに関与する14.Aδ線維(III群求心性線維)と、遅い痛みに関与する15.C線維(IV群求心性線維)がある
  • 運動感覚には16.位置感覚17.動きの感覚18.力・重さの感覚などが含まれる
  • 振動感覚の受容器は19.パチニ小体である
  • 深部痛覚は主として20.C線維によって伝えられる

視覚器の構造と機能

眼球

眼球の構造

  • 1.角膜2.強膜3.脈絡膜4.網膜5.水晶体6.虹彩7.瞳孔8.前眼房9.後眼房10.硝子体11.毛様体12.毛様体小帯13.視神経円板(視神経乳頭)14.黄斑15.中心窩16.視神経
  • 虹彩の内部には17.瞳孔括約筋18.瞳孔散大筋が含まれ、瞳孔の大きさの調節を行う
  • 前眼房と後眼房は毛様体より分泌される19.眼房水に満たされ、眼房水は20.強膜静脈洞(シュレム管)より吸収される
  • 毛様体の内部には21.毛様体筋が含まれ、水晶体の厚みを調節する
  • 網膜は硝子体に近い側から22.視細胞層23.内顆粒層(双極細胞層)24.神経節細胞層25.色素(上皮)細胞層に分けられ、視細胞層には色覚に関与する26.錐体細胞と明暗に関与する27.杆体細胞とが存在する

眼球の付属器

眼球の付属器

  • 1.涙腺2.涙小管3.涙嚢4.鼻涙管5.結膜円蓋6.眼瞼結膜7.瞼板
  • 鼻涙管は8.下鼻道に注ぐ
  • 上眼瞼と下眼瞼の間を9.眼裂といい、10.眼輪筋が収縮すると閉じ、11.上眼瞼挙筋が収縮すると開く
  • 瞼板の内部には12.瞼板腺または13.マイボーム腺が含まれる
  • 眼球運動に関与する筋には、14.上直筋15.下直筋16.外側直筋17.内側直筋18.上斜筋19.下斜筋がある
  • 眼球一側の内転と他側の外転を伴う運動を20.共同偏視、両側の内転を伴う運動を21.輻輳という

視覚

  • 視覚の適刺激は1.可視光線であり、受容器は2.視細胞である
  • 視細胞のうち3.錐体細胞は色覚に、4.杆体細胞は明暗に関与する
  • 近くのものに焦点をあわせるときは毛様体筋は5.収縮、毛様体小帯は6.弛緩、水晶体は7.厚くなる、屈折力は8.増すという反応となる
  • 眼の屈折力を示す単位は9.ジオプトリ(D)である
  • 暗順応には杆体細胞に含まれる10.ロドプシンが関与する
  • 視野は11.耳側が最も見える範囲が大きい
  • 盲斑は12.視神経円板(視神経乳頭)に映像が映るために生じる

平衡聴覚器の構造と機能

平衡聴覚器の構造

平衡聴覚器の構造

  • 1.外耳2.中耳3.内耳4.耳介5.耳垂6.外耳道7.鼓膜8.アブミ骨9.キヌタ骨10.ツチ骨11.耳小骨12.半規管13.前庭14.蝸牛15.耳管
  • 外耳道の外3分の1は16.軟骨、内3分の2は17.側頭骨より構成される
  • 外耳道には耳垢を分泌する18.耳道腺が存在する
  • 耳管は19.咽頭と連絡する
  • 半規管の内部には20.膜半規管、前庭の内部には21.球形のう22.卵形のう、蝸牛の内部には23.蝸牛管という膜迷路が存在する
  • 骨迷路と膜迷路の間には24.外リンパ、膜迷路の内部には25.内リンパという液体が入る

内耳の構造

平衡聴覚器の構造

  • 1.平衡砂2.平衡砂膜3.有毛細胞4.平衡斑5.膨大部6.膨大部稜7.有毛細胞8.蝸牛管9.前庭階10.蓋膜11.ラセン器(コルチ器)12.鼓室階
  • 前庭の13.前庭窓は蝸牛の前庭階と、14.蝸牛窓は鼓室階と連絡する
  • コルチ器には15.有毛細胞が含まれる
  • 前庭階と鼓室階の内部は16.外リンパで、蝸牛管の内部は17.内リンパで満たされる
  • 味蕾は18.味細胞と支持細胞よりなり、19.味孔より外界と連絡する
  • 嗅上皮は20.嗅細胞と支持細胞よりなる

聴覚

  • 聴覚の適刺激は1.音波、受容器は2.ラセン器(コルチ器)である
  • 聴覚が生じるしくみ
    i) 音波が3.外耳道を伝わる
    ii) 4.鼓膜を振動させる
    iii)5.ツチ骨6.キヌタ骨7.アブミ骨と振動が伝わる
    iv) 8.前庭窓を通じて9.前庭管を満たす10.外リンパを振動させる
    v) 11.蝸牛管を満たす12.内リンパが振動する
    vi) (v)により13.蓋膜がラセン器の14.有毛細胞を刺激する
    vii)有毛細胞の興奮が15.蝸牛神経により伝えられる
  • 周波数が多いと16.高い音、少ないと17.低い音となる
  • 主観的な音の強さを表す単位は18.ホンである

平衡感覚

  • 平衡感覚の受容器は19.前庭器官であり、これには回転速度を受容する20.半規管、上下方向の加速度を受容する21.球形のう、水平方向の加速度を受容する22.卵形のうが含まれる

味覚

  • 味覚の適刺激は1.化学物質(味物質)、受容器は2.味蕾である
  • 舌の前3分の2の味蕾の興奮は3.顔面神経、後ろ3分の1は4.舌咽神経が脳幹の5.まで伝える
  • 味の基本感覚には6.甘い7.酸っぱい8.苦い9.塩からい10.旨いが含まれる

嗅覚

  • 嗅覚の適刺激は11.化学物質(におい物質)、受容器は12.嗅細胞である

脳神経

第Ⅰ脳神経:嗅神経

  • 感覚性
    走行:☆.嗅細胞☆.篩骨篩板の孔☆.嗅球
    機能:☆.嗅覚

第Ⅱ脳神経:視神経

  • 感覚性
    走行:☆.視細胞☆.双極細胞など☆.神経節細胞☆.視神経乳頭☆.視神経管☆.視神経交叉☆.視索☆.外側膝状体
    機能:☆.視覚

第Ⅲ脳神経:動眼神経

  • 運動性
    走行:☆.動眼神経核☆.上眼窩裂☆.眼窩☆.上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋・上眼瞼挙筋
    機能:☆.眼球運動、上眼瞼の挙上
  • 副交感性
    走行:☆.動眼神経副核☆.上眼窩裂☆.眼窩☆.毛様体神経節☆.眼球☆.毛様体筋・瞳孔括約筋
    機能:☆.遠近調節、縮瞳

第Ⅳ脳神経:滑車神経

  • 運動性
    走行:☆.滑車神経核☆.上眼窩裂☆.眼窩☆.上斜筋
    機能:☆.眼球運動

第Ⅴ脳神経:三叉神経

  • ☆.三叉神経主知覚核・中脳路核・脊髄路核・三叉神経運動核☆.半月神経節☆.眼神経・上顎神経・下顎神経に分枝

眼神経:第1枝(V1)

  • 感覚性
    走行:☆.半月神経節☆.上眼窩裂☆.眼窩☆.眼球☆.前頭切痕・眼窩上孔☆.前頭部の皮膚
    機能:☆.眼球・前頭部の皮膚の感覚

上顎神経:第2枝(V2)

  • 感覚性
    走行:☆.半月神経節☆.正円孔☆.翼口蓋窩→①②
    ☆.上歯髄・鼻腔粘膜
    ☆.眼窩下神経☆.下眼窩裂☆.眼窩☆.眼窩下孔☆.頬部の皮膚
    機能:☆.上歯髄・鼻腔粘膜の感覚、頬部の皮膚の感覚

下顎神経:第3枝(V3)

  • 感覚性
    走行:☆.半月神経節☆.卵円孔☆.側頭下窩→①②③
    ☆.舌神経:→☆.
    ☆.耳介側頭神経:→☆.側頭部の皮膚
    ☆.下歯槽神経:→☆.下顎管☆.下歯髄☆.オトガイ孔☆.下顎部の皮膚
    機能:☆.舌・下歯髄の感覚、側頭部・下顎部の皮膚の感覚
  • 運動性
    走行:☆.三叉神経運動核☆.卵円孔☆.側頭下窩☆.咀嚼筋群・顎二腹筋前腹
    機能:☆.咀嚼運動

第Ⅵ脳神経:外転神経

  • 運動性
    走行:☆.外転神経核☆.上眼窩裂☆.眼窩☆.外側直筋
    機能:☆.眼球運動

第Ⅶ脳神経:顔面神経

  • 感覚性
    走行:☆.孤束核☆.内耳孔☆.内耳道☆.膝神経節☆.顔面神経管☆.鼓索神経☆.舌神経☆.舌の前2/3の味蕾
    機能:☆.味覚
  • 運動性
    走行:☆.顔面神経核☆.内耳孔☆.内耳道☆.顔面神経管☆.茎乳突孔☆.表情筋・茎突舌骨筋・顎二腹筋後腹
    機能:☆.表情運動
  • 副交感性
    走行:☆.上唾液核☆.内耳孔☆.内耳道→①②
    ☆.上錐体神経☆.翼口蓋神経節☆.涙腺神経☆.涙腺・鼻粘膜の腺
    ☆.顔面神経管☆.鼓索神経☆.顎下神経節☆.顎下腺・舌下腺
    機能:☆.涙分泌・鼻水分泌・唾液分泌

第Ⅷ脳神経:内耳神経

  • 運動性
    走行:
    ☆.前庭器官☆.前庭神経節☆.前庭神経☆.内耳道☆.内耳孔☆.前庭神経核
    ☆.ラセン器☆.ラセン神経節☆.蝸牛神経☆.内耳道☆.内耳孔☆.蝸牛神経核
    *前庭神経と蝸牛神経は内耳道で合流し、☆.内耳神経となる
    機能:☆.平衡感覚・聴覚

第Ⅸ脳神経:舌咽神経

  • 感覚性
    走行:
    ☆.舌の後1/3の味蕾・咽頭粘膜☆.上・下神経節☆.頚静脈孔☆.孤束核
    ☆.頚動脈小体・頚動脈洞☆.上・下神経節☆.頚静脈孔☆.孤束核
    *①は感覚神経線維、②は内臓求心性神経線維
    機能:☆.味覚・咽頭の感覚・血圧調節
  • 運動性
    走行:☆.疑核☆.頚静脈孔☆.咽頭筋
    機能:☆.嚥下運動
  • 副交感性
    走行:☆.下唾液核☆.頚静脈孔☆.耳神経節☆.耳下腺
    機能:☆.唾液分泌

第Ⅹ脳神経:迷走神経

  • 感覚性
    走行:
    ☆.外耳の皮膚、咽頭・喉頭粘膜☆.上・下神経節☆.頚静脈孔☆.孤束核
    ☆.胸部・腹部内臓器、大動脈小体・大動脈弓☆.上・下神経節☆.頚静脈孔☆.孤束核
    *①は感覚神経線維、②は内臓求心性神経線維
    機能:☆.外耳道・耳介の皮膚感覚、咽頭・喉頭粘膜の感覚
    機能:☆.胸腹部内臓器の感覚、血圧調節
  • 運動性
    走行:☆.疑核☆.頚静脈孔☆.反回神経☆.下喉頭神経☆.声帯筋
    機能:☆.発声
  • 副交感性
    走行:☆.背側核☆.頚静脈孔☆.胸部内臓器☆.食道裂孔☆.腹部内臓器
    *神経節は支配臓器の近傍に存在(消化管ではアウエルバッハ神経叢など)
    機能:☆.胸部・腹部内臓器の調節

第ⅩⅠ脳神経:副神経

  • 運動性
    走行:☆.疑核・副神経核☆.頚静脈孔☆.僧帽筋・胸鎖乳突筋
    機能:☆.頚部の運動

第ⅩⅡ脳神経:舌下神経

  • 運動性
    走行:☆.舌下神経核☆.舌下神経管☆.舌筋群
    機能:☆.舌の運動

脊髄神経

脊髄神経の構造と機能

  • 脊髄に出入りする末梢神経を総称して☆.脊髄神経という
  • 脊髄からは遠心性線維が集まった☆.前根と、求心性線維が集まった☆.後根が起こり、合して☆.神経根となる
  • 後根には求心性ニューロンの細胞体が集まって構成される☆.脊髄神経節が存在する(前根には部位によって自律神経遠心性線維が含まれる)
  • 神経根は☆.椎間孔を出た後、体幹腹側の体壁・上肢・下肢の筋や皮膚に分布する☆.前枝☆.固有背筋と腰背部の皮膚に分布する☆.後枝に分かれる
  • 脊髄神経は神経根の出る椎間孔の高さにしたがって分類され、高い順に、☆.頚神経☆.胸神経☆.腰神経☆.仙骨神経☆.尾骨神経である
  • 上記の神経はそれぞれ、8対、12対、5対、5対、1対ずつある
  • 脊髄神経中で骨格筋に分布するものを☆.筋枝、皮膚に分布するものを☆.皮枝と呼ぶ

脊髄神経前枝と後枝の違い

  • 前枝:椎間孔を出た後体幹腹側、上肢、下肢の筋や皮膚に分布するものの総称、胸神経前枝以外は上下の神経根が交通して☆.神経叢を形成する
    ☆.頚神経叢(第1~4頚神経前枝)
    ☆.腕神経叢(第5~8頚神経前枝・第1胸神経前枝)
    ☆.腰神経叢(第12胸神経前枝・第1~4腰神経前枝)
    ☆.仙骨神経叢(第4~5腰神経前枝・第1~4仙骨神経前枝)
    胸神経前枝(第1~12)は☆.肋間神経となる
    第4~5仙骨神経前枝・尾骨神経前枝は尾骨神経叢を形成し、肛門部の筋や皮膚に分布する
  • 後枝:椎間孔を出た後固有背筋や体幹背側の皮膚に分布するものの総称、「脊髄神経後枝」以外に名称がついているものがある
    ☆.後頭下神経:第1頚神経後枝の筋枝で、後頭下筋群(大小後頭直筋、上下頭斜筋)を支配
    ☆.大後頭神経:第2頚神経後枝の皮枝で、後頭部~頭頂部の皮膚に分布
    頭半棘筋を貫き、「天柱穴」付近で皮下に現れる
    ☆.上殿皮神経:第1~3腰神経後枝の皮枝で、上殿部の皮膚に分布
    腸腰肋筋を貫き、腸骨稜の頂上付近で皮下に現れる
    ☆.中殿皮神経:第1~3仙骨神経後枝の皮枝で、内側殿部の皮膚に分布

頚神経叢

  • ☆.1~4頚神経前枝
  • ☆.胸鎖乳突筋に覆われている
  • ☆.頚神経ワナ:舌骨下筋群を支配
  • ☆.横隔神経:横隔膜を支配
  • ☆.小後頭神経:後頭部外側の皮膚に分布
  • ☆.大耳介神経:耳介周囲の皮膚に分布
  • ☆.頚横神経:前頚部の皮膚に分布
  • ☆.鎖骨上神経:鎖骨上部の皮膚に分布
  • ☆.頚神経叢筋枝:斜角筋群、胸鎖乳突筋、僧帽筋を支配

腕神経叢

  • ☆.5~8頚神経前枝・第☆.胸神経前枝
  • 上肢に至る過程において、☆.神経幹☆.神経束を形成する
  • 第5、第6頚神経の前枝が合流し☆.上神経幹を形成する
  • 第7頚神経の前枝が☆.中神経幹を形成する
  • 第8頚神経と第1胸神経の前枝が合流し☆.下神経幹を形成する
  • 上・中神経幹からの枝(前部)が合流し☆.外側神経束が形成される
  • 上・中・下の神経幹からの枝(後部)が合流し☆.後神経束が形成される
  • 下神経幹からの枝(前部)から☆.内側神経束が形成される
  • 上肢に至る過程において☆.斜角筋隙☆.肋鎖間隙・胸郭と☆.小胸筋の間の狭い部位を通過する

腕神経叢(鎖骨上枝)

  • ☆.肩甲背神経:中斜角筋を貫き、肩甲挙筋・菱形筋群を支配
  • ☆.長胸神経:前鋸筋を支配*麻痺により翼状肩甲となる
  • ☆.鎖骨下筋神経:鎖骨下筋を支配
  • ☆.肩甲上神経☆.肩甲切痕を通り、棘上筋・棘下筋を支配

腕神経叢(外側神経束)

  • ☆.外側胸神経:大胸筋・小胸筋を支配*内側胸筋神経と合わせて前胸神経ともいう
  • ☆.筋皮神経
    走行:☆.烏口腕筋を貫き、上腕二頭筋と上腕筋の間を走り、上腕二頭筋外側縁下方より皮下に現れ、☆.外側前腕皮神経として前腕外側部の皮膚に分布
    筋枝:上腕屈筋群を支配
    皮枝:前腕外側部の皮膚を支配(☆.外側前腕皮神経)

腕神経叢(外側神経束と内側神経束)

  • ☆.正中神経
    走行:上腕部では☆.内側二頭筋溝☆.上腕動静脈と伴走し、肘関節付近で☆.円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通り、手関節部では☆.手根管を通過し、手掌に至る
    筋枝:☆.前腕屈筋群のほとんど、☆.母指球筋のほとんど、第1・2虫様筋
    皮枝:手掌面で薬指を境とした橈側の皮膚
       指背部(示指・中指・薬指橈側半)の皮膚

腕神経叢(内側神経束)

  • ☆.内側胸筋神経:大胸筋・小胸筋を支配*外側胸筋神経とあわせて前胸神経ともいう
  • ☆.内側上腕皮神経:上腕内側部の皮膚に分布
  • ☆.内側前腕皮神経:前腕内側部の皮膚に分布
  • ☆.尺骨神経
    走行:上腕部では内側上腕筋間中隔の後方を走り、上腕骨内側上顆の☆.尺骨神経溝を通り、☆.尺側手根屈筋の深部を☆.尺骨動静脈と伴走し、手関節部では☆.尺骨神経管(☆.ギヨン管)を通過し、手部に至る
    筋枝:☆.尺側手根屈筋☆.深指屈筋尺側頭、母指内転筋、☆.短母指屈筋深頭☆.小指球筋のすべて、☆.中手筋のほとんど
    皮枝:手掌面で薬指を境とした尺側の皮膚
       手背面で中指を境とした尺側の皮膚

腕神経叢(後神経束)

  • ☆.肩甲下神経:肩甲下筋・☆.大円筋を支配
  • ☆.胸背神経:広背筋を支配
  • ☆.腋窩神経
    走行:☆.外側腋窩隙を通り、筋枝を出した後☆.上外側上腕皮神経として方から上腕外側部の皮膚に分布
    筋枝:☆.三角筋、小円筋
    皮枝:肩から上腕外側部の皮膚(☆.上外側上腕皮神経)
  • ☆.橈骨神経
    走行:上腕部では上腕骨体部後面の☆.橈骨神経溝を上腕深動脈と伴走し、上腕骨外側上顆に至り、浅枝と深枝に分岐する
       浅枝は☆.腕橈骨筋の深部を走り手背に至る
       深枝は☆.回外筋を貫き、前腕伸筋群を支配する
    筋枝:上腕伸筋群のすべて、前腕伸筋群のすべて
    皮枝:上腕後部の皮膚(☆.後上腕皮神経)
       上腕下外側部の皮膚(☆.下外側上腕皮神経)
       前腕後部の皮膚(☆.後前腕皮神経)
       手背面で中指を境とした橈側の皮膚

脊髄神経(肋間神経~)

肋間神経・肋下神経

  • 構成:第1~11胸神経の前枝は☆.肋間神経、第12胸神経前枝は☆.肋下神経という
  • 走行:☆.肋骨溝☆.肋間動静脈とともに伴走し、中腋窩線と肋間との交点から☆.外側皮枝を、胸骨外側縁および腹直筋部から☆.前皮枝を分枝する
  • 筋枝:深胸筋のほとんど(☆.肋骨挙筋以外)、前腹筋、側腹筋、☆.上・下後鋸筋
  • 皮枝:側胸部・側腹部の皮膚(☆.外側皮枝)
       前胸部・前腹部の皮膚(☆.前皮枝)
       *臍の高さの皮膚には☆.第10肋間神経が分布する

腰神経叢

  • 構成:第12胸神経前枝・☆.第1~4腰神経前枝
  • 特徴:大腰筋の深部に位置する
  • 枝:
    ☆.腸骨下腹神経【筋枝】:腹横筋、☆.内腹斜筋【皮枝】:下腹部・☆.骨盤部側面の皮膚
    ☆.腸骨鼠径神経【筋枝】:腹横筋、内腹斜筋【皮枝】:下腹部~大腿部上部内側・☆.外陰部の皮膚
    ☆.陰部大腿神経【筋枝】:☆.精巣挙筋(男性のみ)【皮枝】:外陰部・大腿上部内側の皮膚
    ☆.挙睾筋反射に関与する
  • ☆.外側大腿皮神経☆.筋裂孔を通過し、大腿外側部の皮膚に分布
    *筋裂孔:鼠径靭帯と寛骨からなる隙間、外側を筋裂孔、内側を血管裂孔という
  • ☆.大腿神経
    走行:☆.筋裂孔を通過した後、☆.大腿三角に至る。皮枝として大腿前面の皮膚に分布する☆.大腿神経前皮枝および☆.伏在神経を分枝する
       伏在神経は☆.内転筋管☆.大腿動静脈とともに走り下腿内側部の皮膚に分布する
    筋枝:大腿伸筋群のすべて、恥骨筋、☆.腸骨
    皮枝:大腿前面の皮膚(☆.大腿神経前皮枝)
       下腿~足背内側部の皮膚(☆.伏在神経)
    *【大腿三角】:鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋、【内転筋管】:縫工筋、内側広筋、大内転筋、長内転筋
  • ☆.閉鎖神経
    走行:☆.閉鎖管を閉鎖動静脈とともに通過し、大腿内側部に至る
    筋枝:☆.大腿内転筋群のほとんど
    皮枝:大腿下部内側の皮膚
  • 腰神経叢筋枝:腰方形筋、大腰筋を支配

仙骨神経叢

  • 構成:第4・5腰神経前枝(腰仙骨神経幹)、第☆.1~4仙骨神経前枝
  • 特徴:仙骨および梨状筋の前面に位置する
  • 枝:仙骨神経叢筋枝:深層外旋6筋のほとんどを支配
  • ☆.上殿神経:☆.梨状筋上孔☆.上殿動静脈とともに通過し、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配
  • ☆.下殿神経:☆.梨状筋下孔☆.下殿動静脈とともに通過し、大殿筋を支配
  • ☆.後大腿皮神経:梨状筋下孔を通過し、大腿後面の皮膚に分布、また、☆.下殿皮神経を分枝し、下殿部の皮膚に分布
  • ☆.陰部神経
    走行:☆.梨状筋下孔を通過したのち☆.小坐骨孔より骨盤底に至る
    筋枝:外肛門括約筋、尿道括約筋、浅・深会陰横筋
    皮枝:会陰部・外陰部の皮膚
    *陰部神経叢として独立させることもある

仙骨神経叢その2

  • ☆.坐骨神経
    走行:☆.梨状筋下孔を通過し、大腿二頭筋と☆.大内転筋の間を走り、膝窩のやや上方で☆.総腓骨神経と☆.脛骨神経に分岐する
  • 総腓骨神経
    走行:下腿外側の皮膚に分布する☆.外側腓腹皮神経を分枝した後、腓骨頭の付近で☆.浅腓骨神経と☆.深腓骨神経に分岐する
    筋枝:☆.大腿二頭筋短頭 皮枝:下腿外側部の皮膚(☆.外側腓腹皮神経)
  • 浅腓骨神経
    走行:☆.長・短腓骨筋の間を走り、足背部に至る
    筋枝:☆.腓骨筋群のすべて
    皮枝:足背部の皮膚(中間・内側足背皮神経)
  • 深腓骨神経
    走行:☆.前脛骨筋の深部を☆.前脛骨動静脈と伴走し、足部に至る
    筋枝:下腿伸筋群のすべて、☆.足背筋群のすべて
    皮枝:母指と第2指の対向縁の皮膚
  • 脛骨神経
    走行:膝窩中央部を☆.膝窩動静脈と伴走し、ヒラメ筋と下腿屈筋群深層の間を☆.後脛骨動静脈とともに走り、☆.足根管を通過した後、☆.内側足底神経、☆.外側足底神経として足底部に至る
    筋枝:大腿屈筋群のほとんど、下腿屈筋群のすべて、足底筋群のすべて
    皮枝:踵の皮膚(☆.腓腹神経)
       足背外側の皮膚(外側足背皮神経)
       足底の皮膚(内・外側足底神経)
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