腎臓の肉眼構造
- 腎臓の位置は、脊柱の左右で1.肋骨に半ば隠れるように位置する
- 高さは2.第12胸椎から3.第3腰椎の範囲にあり、右に肝臓があるため、右腎が左腎より4.1/2腰椎分低い
- 腎臓は5.後腹膜臓器である
- 腎臓は6.腎皮膜、7.脂肪皮膜、8.腎筋膜に覆われている
- 脂肪皮膜がゆるくなると腎臓は動きやすくなり、さらに下方までさがると20.遊走腎(下垂腎)となる
- 腎臓の肉眼構造は、暗赤色にみえる9.腎皮質、蒼白に見える10.腎髄質(十数個の腎錐体)、杯形をした11.腎杯、11.腎杯が集まってできた12.腎盂からなる
- 腎錐体から皮質側に飛び出した構成物を13.髄放線という
- 腎錐体の先端(腎杯側)を14.腎乳頭という
- 腎臓の内側縁中央部のへこんだ部分を15.腎門といい、16.腎動脈、17.腎静脈、尿管が出入りする
- 髄放線以外の皮質を18.皮質迷路といい、特に腎錐体の間に入り込んだ部分を19.腎柱、それ以外の部分を皮質弓という
- 腎動脈から前枝4本、後枝1つにわかれる動脈を20.区域動脈、腎葉の間を走る動脈を21.葉間動脈、皮質と髄質の間を走る動脈を22.弓状動脈という
腎臓の組織構造と血管
1.腎単位(ネフロン) | 2.腎小体 | 3.糸球体 |
4.ボウマン嚢 | ||
5.尿細管 | 6.近位尿細管 | |
7.ヘンレループ | ||
8.遠位尿細管 | ||
9.集合管 |
- 水の再吸収は下垂体後葉から分泌される10.バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)により促進される
- 糸球体から濾過される原尿は1日に11.200リットルにもなるが、尿細管を通るうちに再吸収され、実際に尿として排出されるのは12.2リットル以下である
- 腎動脈→区域動脈→13.葉間動脈→14.弓状動脈→15.小葉間動脈→16.輸入細動脈→17.糸球体毛細血管→、18.輸出細動脈→19.尿細管周囲毛細血管→20.小葉間静脈→21.弓状静脈→22.葉間静脈→23.腎静脈
- 糸球体の中を流れる血液の血漿成分は24.糸球体内皮(内皮細胞の小孔)、25.基底膜の網目、26.足細胞突起の細隙を血圧に押されて濾過され、3つをあわせて27.濾過膜とよぶ
- 遠位尿細管を流れる尿は、遠位尿細管の28.緻密斑により監視され、隣接する輸入細動脈の内皮細胞から分化した29.傍糸球体細胞が30.レニンというホルモンを分泌して、血圧を上昇させ、原尿の産生を増やす
尿路
- 尿管:1.腎盂と2.膀胱を結ぶ尿路で長さ25~30cmほどの3.中空の管である
- 尿管の壁:4.粘膜(2層)・5.筋層(3層)・6.外膜の3層構造
- 尿管の粘膜上皮は7.移行上皮で覆われる
- 筋層が4~5回/分の周期的な8.蠕動運動をすることにより、尿が膀胱に送られる(口から肛門の方向にものを送る運動)
- 尿管は3ヶ所の狭窄部位:9.腎盂⇔尿管の移行部(尿管起始部)、10.総腸骨動静脈との交叉部(骨盤分界線を越える部)、11.膀胱壁内部(膀胱壁を貫く部)
- 尿管は膀胱の壁を12.斜めに進むので、膀胱に尿がたまるとその13.内圧によって尿管は圧迫され、尿の逆流が防がれる
膀胱
- 膀胱の平均最大尿容量は約1.700ミリリットルである
- 膀胱の背後には、男性では2.直腸が、女性では3.子宮がある
- 膀胱内腔の底部では、左右の尿管の開口部と尿道の出口の3つの点が4.膀胱三角を囲む(粘膜にヒダがなく伸展しない)
- 膀胱の壁:5.粘膜(移行上皮で細胞の重なりは、尿のたまりにより2~8層に移行する)、6.筋層(膀胱壁筋)(全体的に網状を呈している)、漿膜の3層構造
- 尿道の出口では筋層は輪状に並び7.膀胱括約筋(内尿道括約筋)がある、その下方数センチメートルのところに8.尿道括約筋(外尿道括約筋)がある
- 9.副交感神経の興奮により6.筋層(膀胱壁筋)の10.収縮が起こり7.膀胱括約筋(内尿道括約筋)がゆるむ
- 排尿時には8.尿道括約筋(外尿道括約筋)が大脳からの命令を受けてはじめて開き、排尿が行われる
交感神経の興奮 | 副交感神経の興奮 | |
---|---|---|
膀胱壁筋 | 14.弛緩(我慢) | 15.収縮(排尿) |
膀胱括約筋 | 16.収縮(我慢) |
尿道括約筋:体性神経の興奮→17.収縮
膀胱壁筋、膀胱括約筋は自律神経支配→不随意筋、平滑筋。尿道括約筋は体性神経支配→随意筋、横紋筋
尿道
- 尿道の長さとその走行は男女で著しく異なり、男性は約16~18センチメートル、女性は約3センチメートルである
- 走行:18.内尿道口→11.前立腺部→射精管合流→13.隔膜部(尿生殖隔膜)→12.海綿体部(陰茎)→19.外尿道口
- 女性の尿道はまっすぐで短いために、尿路に細菌が侵入し、膀胱に達して膀胱炎、さらに腎盂にまで達して腎盂炎を起こしやすい